東日本大震災

３月１１日午後２時４６分
私は本屋にいた。
前からも後ろからも本が出てきて
お店の人がわざと開けた自動ドアが
ガーガーと自然に閉まってまるで映画みたいだった。
猫が心配で早足で家に戻る途中、お店の外壁や家の瓦が落ちてきた。

部屋で散乱したものがあったけど
怯えて毛布の下にもぐった国ちゃんを発見
他の猫を探してるうちのまた強い地震
パソコンや棚の上の物が飛んできた。

１匹だけどうしても見つからない。
何度も余震がありながら
どこにも電話は繋がらない。
やっと猫全員無事確認。

テレビをつける余裕もなく(テレビも倒れていたんで）
兄からやっと電話。

それまで東京が震源地と疑わなかった私は愕然。
震源地は東北。

その瞬間から凍り付いて兄と私の言葉が重なり
福島が危ない。
原発の町にいる親類の事がまだ原発の情報がなくても
この揺れの大きさに不安になった。

何度電話したかわからないぐらい福島に連絡し
翌日にやっと1人だけ繋がった。
流された家、倒壊、安否不明
そして道が寸断されたり波打っていて自家用車で通れる所が少ないとの事
避難命令が出たけれど無理して自家用車で逃げた従姉妹
泣く泣く犬を置いて出るしかなかった従兄弟
流されてエプロン姿で震える親類
大熊町の避難場所は受け入れ場所が決まらぬまま出発
どこも満杯で２日間は飲み食いできなかったそう。

この震災があって人々のパニックや考え方や
それぞれの行動や
私自身がだんだん無口になっていく。

それは誰が正しいとかじゃなく
もしかしたら私の考え方が間違ってるかもしれない。

私の死生観は人と全く違う。
よく言う人生８０年。

いや、そんなに生きなくても十分頑張った。
太く短く生きるんだ。
人生５，６０年かなと思ってる私。
地震は怖かったけど、数十年後になるかならないかわからない癌？
うまく言えないけど放射能に対して過敏になる人たちを
どこか醒めた目で見てるのは不謹慎かもしれないけど正直な気持。
雨合羽に濡れマスク、いいよ、いいよ思う存分遠く離れた町でも頑張れば
結構意地悪な私もいたし、実際この震災を機に絶縁しようと思う人もいた。

日本が本当の事を言ってない。
民主主義の平和な国で何を隠すのと思うし
あれだけの人数が東電に入っていて隠しきれるわけがない。

東電の関係者の奥さんが･･･
同じメールが５通来ました。
東電の奥さん、そんなに友達がいるのかな。
福島の東電の作業員は奥さんともそんなに話せてないと思うけど。

教授や研究者もピンキリで全部の話を聞いてたら目眩がしちゃう。
誰もまだ本当の事がわからない。
一番賢い人は「わかりません」きっとそう言うだろう。

無責任な発言の数々の後始末は考えているんだろうか。
1人1人の発信が広がりそれもまた風評被害なんだと思う。

思いやりのないＳＮＳはいらない。
ネットもテレビもない生活の方がもしかしたら今は一番健全かもしれない。
何気ないツイートが広まり
それが誰かの生活や命までも脅かすことにわかってない人たち

こんなにも大切な人を亡くすことを連日報道され
胸が痛まない日なんてない。
生きてる者同士がまさかこの人まで愚かだったと気付いた日は
悲しいよりも残念としか言いようがない。

太く短く。
ぶっちゃけそういう人とは生きてる間におさらばしたよ。

皆何かしら大なり小なり傷ついて失った。
そしてそこから残った人たちが
私の大事な宝物なんだとあらためて思った。

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