自閉症の僕が飛び跳ねる理由

本当は本を読むのが大好きなのだけど、そんな暇もなく･･･でも、以前友達から薦められた、中学生の自閉症の子の本「自閉症の僕が飛び跳ねる理由」を取り寄せていて、本日届き、猫育児の合間に一気読みした。

彼は多分、軽度の自閉症だと思うけれど、会話は一切出来ないが、先生とお母様の努力でボードを使い筆談のような質問と答えが出来るようになった、かなり珍しいケースである。
私は以前から、娘に聞きたい、知りたいと思っていた事が沢山質問にあり、読んでいて胸が痛くなり、たまらなくなった。

娘は騒音が苦手で、掃除機、赤ちゃんの泣き声、特急電車の通過などとても怖がって耳をふさぐ・・・。自閉症の子は耳をふさぐ現象がとても多いのだ。
その質問には、「人が気にならない音が、気になるのです。（中略）気になる音を聞き続けていたら、自分が今どこにいるのか分からなくなる感じなのです。その時には地面が揺れて、回りの景色が自分を襲ってくる恐怖があります。」

････正直、心が凍りついた気持ちになった。娘も怖がっているのはわかっていたが、そこまでの恐怖感は想像してあげたくても、どうにもわからない。むしろ、慣れさせる為にまだ小さい頃、耳をふさぐのをやめさせていた自分がいて、とても自分のしてきた事がますます不安にさせていただろうと思うと辛くなってしまった。

娘もよくピョンピョン飛び跳ねるし、飛び跳ねる自閉症の子はとっても多い。
その理由に、「～縛られた縄を振りほどくように、ピョンピョン飛び跳ねるのです。跳べば体が軽くなります。空に向かって体が揺れ動くのは、そのまま鳥になって、どこか遠くへ飛んで行きたい気持ちになるからだと思います。」

自閉症が自分の心を語る例はとても少なく、有名なのはドナ・ウィルアムの「自閉症だった私へ」だが、そこにも娘も同じ接触障害（人に触れられる事を極端に苦痛に思う）事がかかれていた。
今回の直樹君の件と共通する部分も多く、今まで親でも分からなかった心の叫びを初めて知って、言葉にならない気持ちと、ありがとう･･という正直複雑な気持ちになった。

人間は何かあると、愚痴りたくもなるし、大変だとか、辛いとか、疲れたとか、悲しいとか、誰かに伝えられる能力のある人は、まだ恵まれているんだと思う。どんなに辛くてもその理由さえも言葉に出来ずに奇声を上げる事しかできない人間もいるのだ。

簡単に死にたいなんて思っちゃいけない。
生きたくて生きたくて不治の病で明日を生きられない人もいるのだから。

国もそんな人間を住みにくい世の中にしてしまい、ついつい私も疲れた･･などと口から出てしまうけど･･･
頑張ろう･･･娘の為にも、多くの同じような仲間の思いも、鳥になるより、空を飛ぶより、一緒に生きていく幸せを少しでも感じてもらいたい。


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