面接

昔、私が会社勤めの頃、総合アミューズメントの会社の中間管理職だったので、アルバイトの面接は女の人の場合、私がほとんど一人でやり、特にオープニングスタッフだと一日に何十人と応募があるので、声までガラガラになってしまうほどしゃべり続ける。

数十分で人を判断する事は本当に難しく、結局･･･結論から言うと私はあんまり人の見る目が無いのだけれど、自分の部下になる子は、「前のぉ～アルバイトはぁ～バニーガールでぇ～～す」っつー子より、「昼間はタンクローリーの運転手をしています！」とか言う、ガッツのある子が好きなので、自分の好みも偏ってしまうのだけど、大抵の人は、趣味と聞かれると、音楽鑑賞とか映画とか、テニス、スキーみたいな当たり障りのない返事が返ってくる。

面接が多い時期は、同じ事務所で男の人の面接も同時にやることあって、私は面接の資料の整理をしながら、チラッと見ると、向こうもゲゲゲの鬼太郎みたいな髪型からチラッと見てる。
変な人だな･･･これはお断り組だろうと思いながら、耳がついついダンボになって趣味を聞かれると････



「人間ウォッチングです！！！」


･････と答えてた(￣ェ￣；)

数日後、そのゲゲゲの鬼太郎くんが制服に着替えて事務所にいるから、少しのけぞって、どうして気に入ったのかなぁ～と同僚の趣味を疑いつつ（お互いにそう思っているんだけど）、私は私で新しいバイトの子に説明をしていると、鬼太郎くんは柱の影から視線をそらさずこっちを見てたり、どこにいてもウォッチングされてる事に気が付いた。
（＿，，＿；）う～ん････

休憩室で食事をしていても、その視線をそらすっつーことをしないので、不気味を通り越してこっちまでウォッチングしたくなっちゃって、仕事振りもよく見ていたのだけど、本当に働かず、ただただ人の観察で就業時間を過ごす感じ。
ある日、お客様からずーっと見られていて気持ちが悪いって言われて、辞めていただいた（っつーか、他にいなかったのかぁ？と同僚には突込みを入れたけど）

本当に世の中には色んな人がいて、あの履歴書に貼る写真は、普通大きさがだいたい決まっているのに、着物姿の履歴書と同じサイズのお見合い写真を持ってきた人もいたし、全く日本語がしゃべれない中国人が来て、就労ビザを説明するのに面接の時間を倍以上も使ったり、おかまさんが来てどうしても女として雇って欲しいという人も来たり、延べで言うと１０００人弱はやったと思うけど、今になっても全くそれが学習できてない自分がいて、あの頃の仲間と会うと必ず言われるのが「チーフの面接は定評がありますから」と失笑の嵐になる。

そういう、そいつも私の面接で入った子だから、当たりもあるんだけど、本当に人間は難しい･･･だから面白いって言えばそうなんだけど、仕事はチームワークだから時にして自分が、おおっΣ(￣▽￣；|||<よさそうな子じゃん！！と思って大失敗し、何人も男のバイトを引き連れて辞めちゃったりもあるんだけど････
猫の方がおっとりしてる、やんちゃだなとか、もう乳飲み子でもわかるんだけどな。


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